インタビュー Interview

北陸ヒトコト persons & things in hokuriku.

バレーボール男子日本代表監督 中垣内 祐一 さん

1967年生まれ。福井県福井市出身。1990年より新日本製鐵(現 堺ブレイザーズ)でプレー。1992年バルセロナ五輪での6位入賞をはじめ、数々の国際大会で功績を残す。引退後は監督業に従事し、2017年より男子日本代表監督に就任。

福井への想いを胸に、バレーボールの新たな未来を切り拓く。

多くのバレーボールファンに親しまれている中垣内祐一さん。大学在学中に日本代表へ選出されてから数々のタイトルを獲得し、引退する2004年まで日本バレー界を牽引してきた人物だ。引退後は監督に転向し、2017年より男子日本代表チームの指揮をとっている。

監督として多忙な日々を送る中垣内さんだが、生まれ故郷である福井への思い入れは強く、今もなお福井に生活の拠点を置いている。「1年のほとんどは東京や大阪で過ごすことが多いのですが、そこでは常に戦っている感覚があって。でも、福井は豊かな自然や文化も残っていて、自分にとってやすらぎを感じられる場所なんです。福井で過ごす時間があるからこそ、また前を向いて戦えるんだと思います」。

そして迎えた2019年のワールドカップバレー。そこで男子日本代表は格上の強豪国を次々と撃破、最終的に4位にまで上り詰め、今後に控えた東京五輪へ大きな手応えを感じる結果となった。「これまで積み上げてきたものを、日本の皆さんの前で発揮できた機会だったと思います。初戦に勝ったことで勢いに乗れたこともありますが、何より皆さんの多くの声援が後押しとなりました」。ただ、と中垣内さんは続ける。「主力選手を欠いている国も多くあったので、今回の結果に喜んでばかりはいられません。ワールドカップを終えて、男子の世界ランキングは10位にまで上がりましたが、単純に考えて我々よりも強いチームがまだ9つもあるということ。そういった状況の中でいかに東京五輪を勝ち抜いていくのか。選手たちのコンディションもしっかりと管理しながら、準備を整えていきたいと思います」。2020年に入ると、強化合宿や各国を転戦するネーションズリーグ(VNL)などがあり、東京五輪開幕までほとんど休みなく予定が入っているという。

「6月には富山でVNLがあるので、ぜひ会場で応援よろしくお願いします。ここでさらに弾みをつけて、いい形で東京五輪を迎えたいです」。日本バレー界の新しい歴史を切り拓くために、中垣内さんの挑戦は続く。

選手たちに熱の入った指示を送る中垣内監督。「優勢のときにいいプレーをするのは当たり前。むしろ窮地に陥ったときにどう行動するかが重要」と語る。
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